なぜタイヤは氷上で滑るのか、おさらい
雪が降りそうになったらスタッドレスタイヤに交換、これはもう常識。
雪上を夏タイヤで走ろうとするのは自殺行為であるのみならず、周囲にとっても危険です。
雪の上でスタッドレスタイヤがなぜ滑らないかは、タイヤのパターンやサイプ(細かな切れ込み)が雪に食い込むからです。
それでは、アイスバーンなどの氷上でタイヤはなぜ滑るのでしょうか。
スタッドレスタイヤのCMなどでよく紹介されていますが、今一度おさらいします。
氷が滑るのは、接触面に水の膜ができるからです。
手でつかんだ時は手の熱で氷がわずかに融けて水の膜ができて、滑ります。
そして氷が融ける原因は熱の他に”圧力”があります。
氷に圧力をかけると、手などで熱をかけていなくても氷の表面が解けて水の膜ができます。
圧力が高ければ高いほど、水の膜ができやすくなります。
スケートシューズだと氷の上を滑りやすいのと一緒です。
特にスピードスケート用のブレードは細くなっており、氷により大きな圧力がかかるようになっています。
氷上のタイヤの場合、タイヤの熱や重さによる圧力で氷の表面に水の膜ができます。
これによりタイヤは氷上で滑るのです。
この滑る原因になる水の膜を除去する工夫が各社のスタッドレスタイヤになされています。
水の膜ができなければタイヤは滑らない
この、滑る原因となる水の膜を除去する工夫がスタッドレスタイヤになされていると述べましたが、何らかの原因で水の膜ができないとしたらどうでしょうか。
当然氷上でもタイヤは滑りません。
氷に圧力がかかると氷が融けて水の膜ができると述べましたが、圧力がかかっても周囲の温度があまりにも低いと氷は融けません。
気温がマイナス20度くらいだと、氷上を夏タイヤでも走れるそうです。
筆者の経験でも、気温がマイナス3度からマイナス5度くらいより低くなると、滑り方が少なくなります。(スタッドレスタイヤですが)
最も滑りやすい状況は、やはり気温が0度前後の時です。
「冬の北海道でテスト」は氷上性能にあまり意味がない
さて、スタッドレスタイヤの宣伝文句で時々、
「冬の北海道でテスト」とか「真冬の北海道で鍛えられた」などというものが。
こういうスタッドレスタイヤは氷上性能はそれほど良くないでしょうね。
なぜならば、冬の北海道はかなり気温が低いからです。
つまり、”水の膜”が生じにくい厳寒の気温下で氷上性能をテストしても、滑りにくいという結果しか出ません。
「北海道」なんて言葉を前面に出して宣伝しているタイヤメーカーのスタッドレスタイヤは信用してはいけません。
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