2018/12/30

長距離を運転して疲れやすい車、疲れにくいクルマ

運転して”疲れる”とはどういうことか

ドライブなど長距離を運転すると、疲れますわな。

その疲労源は主に二つ。


一つは、危ないことにならないように周囲に注意を配っていることによる、いわゆる”気疲れ”、”神経が疲れた”という状態。
目が疲れた、というのもこれに含めます。

もう一つは身体が振動などで揺れることによる疲れ、です。



状況によって、疲れるクルマ、疲れないクルマがある

この疲労度は車によって違うことは多くの人が実感しているのではないでしょうか。

もし、真っ平らでただただ真っすぐな道路で、他に車がいないような状況では、どんな車でも運転してもそれほど疲れないのではないでしょうか。

しかし実際は他の車もいますし、広い道もあれば狭い道もあります。
交差点もありますし信号もあります。

これらの刻々の状況変化への対応で”疲れる”のです。



もし、渋滞がない高速道路だけしか走らないのであれば、ただ排気量が大きい車が疲れないでしょう。

スピードコントロールだけやればいいのですから。


排気量が小さい車だと高速でのスピードコントロールだけでも結構疲れます。

そして、そういう車は大抵は直進安定性が大きな車に比べて劣りますから、ハンドルコントロールだけでも結構疲労がたまります。


極端に言えば、高速道路を2リッタークラスの車で走るのと、軽自動車で走る場合を想像すれば分かると思います。


一方、狭い道しか走らない場合はどうでしょうか。

当然ながら大きな車の方が”気疲れ”します。ぶつけないようにと。

狭い道だけの場合は軽自動車の方が疲れないのです。


実際の長距離走行では、高速道路や郊外の真っすぐな道も走りますが、市街地の比較的狭い混雑した道を走る割合も小さくはありません。

真っすぐでまっ平らな道路を走行する割合は小さいので、やはり”気疲れ”の部分が大きくなります。



”人馬一体”感があればあまり疲れない

”気疲れ”はどこからくるかというと、車両の感覚が運転者の感覚と乖離しているところからきます。

つまり、”車両感覚”です。

運転中は常に他社との間隔や道路のどの位置を走っているか、ガードレールとの間隔、等々に常に気を配っています。

車両感覚を完ぺきにつかめていれば、この部分での”気疲れ”は格段に少なくなるはずです。

つまり、車体が自分の身体を拡張した感覚にとどまっていれば、疲れません。


はっきり言うと、大きな車ほどこの部分での疲労は大きくなるはずです。



”コンパクトカー”は意外に疲れるものが

具体的な車種について考えてみます。

コンパクトカーだと、小さくて車両感覚がつかみやすいし、そこそこスピードも出せるので郊外の道路や高速道路も走りやすいので、あまり疲れないのではないかと思われます。

しかし、車種によっては意外に疲れます。

原因はフロントのピラーです。


コンパクトカーはカタログ燃費を重視して作られたものが多いので、全体が流線形になっているものが多いです。

そういう車体のデザインだと、フロントのピラーがかなり”斜め”になっています。

そうすると、視界の塞がれる部分、すなわちフロントの死角部分が大きくなります。


死角が多いと、その見えない部分にも気を配らなければならないので”疲れる”のです。


フィットなんかは長距離走行は意外に疲れるでしょう。(比較的)
フィット

筆者も前に乗っていましたが、不自然に斜めになったピラーが結構視界のジャマでした。

同じような理由でトヨタ・アクアのデザインも長距離ドライブは疲れやすいでしょう。

コンパクトカーではありませんがC-HRなんかは、後方視界も壊滅的なので、寄り道で駐車する機会が数回あったりすると、ガックシと疲れるはずです。

フィットの初期型とかスイフトあたりだとフロントピラーの立ち具合はいい感じだと思います。



肉体的な疲れは大きい車の方が少ない

他車やガードレール等の物体との間隔を取ることなどによる”気疲れ”の部分を除けば、比較的大きな車の方が肉体的な疲れは少ないです。

その理由は、まずタイヤが(比較的)大きいこと。

足回りのセッティングの要素を除けば、タイヤは大きい方が乗り心地は良くなります。

小さいタイヤに比べて大きなタイヤの方が段差による上下の振られ方がソフトに感じられるからです。

身体が上下に振られることによる疲労は意外に大きな割合なのです。


もう一つの理由は、大きな車の方が身体の前後左右への振られ具合が少ないからです。
これについては”車酔い”の記事を参照してください。



着座位置が適度に高いと疲労感は少なくなる

あまり論じられることはないのですが、”着座位置”も重要な要素です。

走行中は上にも目線を向けなければなりません。

信号機やいろいろな標識を確認するためです。

このための首や目の動きで意外に疲労が溜まります。


着座位置が高いと、上への目線の移動量が比較的少なくなります。


ただし、着座位置があまりに高い車だと、車両周辺の死角が大きくなるので、これによる疲労感も出てきます。



結局どんな車が疲れないのか

以上のように考えると、総合的にはヴェゼルのようなコンパクトなSUVが良いのではないかと思われます。(C-HRは絶対に除きます;買ってはいけない視界が激狭な危険なクルマです)

着座位置は適度に高いし、(比較的)車体が小さくて車両感覚がつかみやすく、パワーもそこそこあるからです。


高速道路を長時間走ることを除くならば、よくできた軽自動車も視野に入ります。


例えばN-BOX

外見からはいかにも車酔いしそうなのですが、現行型N-BOXのインプレを読むと、足回りはコンパクトカーを超えるくらいに完ぺきにできているようです。

軽自動車ゆえ長時間の高速道路走行はきびしいかもしれませんが、その他のシチュエーションでは疲労の溜まり具合は少ないと思われます。


あと、筆者はN-ONEで長距離走行テストをしていますので、参考にしてください。


注意したいのはホイールベースのコンパクトカー並みの長さによる直進安定性です。
他メーカーの軽自動車はホイールベースは短いです。


ただし、これまで述べてきたことはあくまで”ドライバー”の疲労についてです。

軽自動車の場合は特に助手席の人には気を遣わなければなりません(笑)


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