スタッドレスタイヤでも不可の「新チェーン規制」
国土交通省と警察庁は12月14日に、大雪時のタイヤチェーン装着の義務付け予定区間を発表しました。
この区間では、大雪時にはスタッドレスタイヤでも走行は禁止で、全ての車にチェーン装着が義務付けられます。
この新チェーン規制実施予定区間は以下です。
【高速道路】
▽上信越(長野県・信濃町IC~新潟県・新井PAの25キロ)
▽中央道(山梨県・須玉IC~山梨県・長坂ICの9キロ)
▽中央道(長野県・飯田山本IC~長野県・園原ICの10キロ)
▽北陸道(福井県・丸岡IC~石川県・加賀ICの18キロ)
▽北陸道(滋賀県・木之本IC~福井県・今庄ICの45キロ)
▽米子道(岡山県・湯原IC~鳥取県・江府ICの34キロ)
▽浜田道(広島県・大朝IC~島根県・旭ICの27キロ)
【直轄国道】
▽国道112号(山形県・西川町志津~山形県・鶴岡市上名川の27キロ)
▽国道138号(山梨県・山中湖村平野~静岡県・小山町須走御登口の9キロ)
▽国道7号(新潟県・村上市大須戸~新潟県・村上市上大鳥の16キロ)
▽国道8号(福井県・あわら市熊坂~福井県・あわら市笹岡の4キロ)
▽国道54号(広島県・三次市布野町上布野~島根県・飯南町上赤名の12キロ)
▽国道56号(愛媛県・西予市宇和町~愛媛県・大洲市松尾の7キロ)
(https://trafficnews.jp/post/82387 より)
この「新チェーン規制」すなわち「チェーン必須のチェーン規制」は、近年、大雪の際に国道などで多数の立ち往生車両が発生しているためです。
特に勾配が5%を超える区間では立ち往生が多く発生しているそうです。
これは実は”規制強化”ではなく、”規制緩和”とみることもできます。
これまでならば”全面通行止め”になっていた区間が、チェーンさえ装着していれば通行できるようになるからです。
しかしチェーン装着はなかなか面倒・・・
しかし、ベテランドライバーでもチェーンの装着はなかなか苦労します。
チェーンを付けなくても雪道を走るためのスタッドレスタイヤ、ですので、チェーン装着をしたことがない人も多いのではないでしょうか。
私も昔、チェーンを積んでスキーに行っていたものですが、チェーン装着はとても面倒でした。
大抵が降雪の中での作業となります。
慣れるまでは数回かかりました。
そしてチェーンは金属製であろうと樹脂製であろうとなかなかに場所を取ります。
「布製タイヤカバー」が「新チェーン規制」に適合した
一方、「布製タイヤカバータイプ」の”チェーン”が新チェーン規制でのチェーンとして認められたということです。
普段はスタッドレスタイヤを履いているからチェーンは使うことがないし、新チェーン規制のためにチェーンを積んでおくのは面倒、という人には朗報かもしれません。
”布製カバータイプ”とは、アラミドなどの特殊合成繊維製の布をタイヤに巻き付けるタイプのものです。
なにせ”布”状ですから、軽いし積むのに場所も取りません。
積みっぱなしでも苦になりません。
積みっぱなしでも苦になりません。
装着もかなり楽です。
「オートソック」などの商品があります。
布製タイヤチェーンの滑り止め原理
見た目はただの布なのに、どうして滑り止め効果があるのでしょうか。
金属製のチェーン、あるいはゴム製のチェーンは、チェーン自体や金属製のピンを雪や氷に食い込ませて摩擦力を得ます。
対して”布製タイヤチェーン”は、布が雪に”張り付く”効果を利用しています。
この原理は後述するデメリットにも関係するので注意してください。
スタッドレスタイヤ+布製タイヤチェーンのメリット
普段はスタッドレスタイヤを履いている場合はチェーンが必要になることは滅多にないでしょう。
そして、新チェーン規制区間を通行することも少ないし、しかもチェーン規制が発令されることも一年のうちごく短期間でしょう。
一年で一回使うか使わないかのために高価でかさばるチェーンを買うのはちょっと・・・という場合は、非常用にこの布製タイヤチェーンを積んでおくのがベストだと思います。
布製タイヤチェーンは一般のチェーンに比べて凹凸が格段に少ないので、走行時の振動はほとんどありません。
装着も、基本的にはタイヤにかぶせるだけなので、すばやく装着できます。
ただし、夏用タイヤ+布製タイヤチェーンの組み合わせはおすすめできません。
あくまでスタッドレスタイヤでは対応できないときの非常用として考えるべきです。
布製タイヤチェーンのデメリットと注意点
布製タイヤチェーンにはデメリットも多いです。
まず、耐久性がないことです。
なにせ、”布”ですから・・・
雪道での使用であれば、大体150kmまでです。
そしてこれで乾燥路を走ってしまうと、あっという間に破損するでしょう。
新チェーン規制区間を乗り越えたらすぐに外さなければなりません。
また、長時間駐車する際には必ず外さなければなりません。
これは布製タイヤチェーンの滑り止めの原理を考えればわかるのですが、凍結した路面に”張り付いて”しまい、車を動かした時に破損する可能性が高いからです。
布製タイヤチェーンはあくまでスタッドレスタイヤの補助としてのみ使うべきでしょう。
しかしデメリットを理解してさえいれば、「新チェーン規制区間」を乗り越えるためには大変便利な製品だと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿