新車は3ナンバー車が増え続けている
最近のクルマはモデルチェンジを機に5ナンバーから3ナンバー車になってしまうことが多くなっています。
昔の国民車カローラも3ナンバーになってしまうらしいです。
日本カー・オブ・ザ・イヤーの2018年エントリー車でも5ナンバー車は1台もありません。
スズキが辞退していなければジムニーという軽自動車がエントリーされていたでしょうが・・・
車の3ナンバー化が進む要因には二つあります。
一つは、かなり前からですが、自動車税が3ナンバー車と5ナンバー車でそれほど変わらなくなっていることです。
自動車税は1989年から車体の大きさではなくエンジン排気量に応じて課税される方式となっています。
もう一つは、車の性能をアップさせるためです。
車の性能の一つには衝突安全性があります。
衝突安全性能の基準が厳しくなり、車体寸法を大きくして衝撃吸収のエリアを確保する必要が出てきたことです。
そして車の最大の性能は”走行性能”です。
走行安定性など走行性能をアップさせるためには、車体の幅を広げるのが最も手っ取り早いのです。
5ナンバー車は日本のためのクルマ
一方、ニューモデルが3ナンバーが多くなっているとは言っても、新車販売動向を見ると5ナンバー車はまだまだ人気です。
日産ノート、トヨタ・ヴィッツ、トヨタ・カローラ、トヨタ・アクア、トヨタ・ルーミー、ホンダ・フリード、ホンダ・フィット、といった5ナンバー車が、上位10位に入っています。
つまり、日本では5ナンバー車を求める人がまだまだ多いのです。
5ナンバー車とは日本の道路事情に適したクルマなのです。
そもそも、海外では3ナンバーサイズが多く日本では5ナンバーサイズが中心だったのには、昔からの道路の”成り立ち”に関係します。
海外などは、大昔に”馬車”が走っていたところが自動車道路になりました。
だから、元々の道路の幅が広く、3ナンバーサイズでもなんら不便はないのです。
ところが大昔の日本では、○○街道と言えば旅人が歩くところでした。
人が歩いていたところを”道路”として自動車を通しているために、元々の道幅が狭く、より車幅が狭い5ナンバー車が適していたのです。
その後、時代が進むにつれて道路は整備されたので、3ナンバー車でもいいじゃん、というところが多くなりました。
しかし、昔からの住宅街ではまだまだ狭い道路が多いです。
そんなところに3ナンバー車ははっきりいって邪魔です。
日本の車メーカーは誰に向けて車を作っているのか?
日本の車メーカーであっても海外で車を売らなければ経営が成り立ちません。
海外で売ることを考えるならば、車体を3ナンバーに統一した方がコストなどの点で有利です。
しかし、だからといって3ナンバー車ばかりにするのはもはや”日本メーカー”であることを捨てているのではないかとすら思います。
スバルなんかは、もう自社で作っている5ナンバー車は無いそうです。
インプレッサですら3ナンバー車になって久しいです。
しかし一方では、ホンダは5ナンバー車のフィット、マツダはデミオを海外でも販売しています。
クルマは大きく作るよりも小さく作る方が格段に難しいのです。
5ナンバー車を作れないというのは、日本市場軽視という意味のみならず、そのメーカーの技術力が低下していると言ってもよいのではないでしょうか?
5ナンバーが海外で売れないから、というのは日本市場軽視ですし、何よりも5ナンバー車でも海外で売っているメーカーがあることを考えていただきたいものです。
そして、日本カー・オブ・ザ・イヤーの2018年エントリー車でも5ナンバー車は1台も無かったことを考えると、自動車マスコミにおいても”日本市場軽視”が進んでいると見てよいのではないでしょうか?
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