スバルの”バルブスプリング”問題で思うこと
バルブスプリング問題よりも前の”完成車検査不正”問題のこと。
”完成車検査問題”自体はたいしたレベルの問題ではないと思います。
しかしこれがそのメーカーの”体質”を表しているのです。
どういう体質かをきつめに言うと、「こんなもんでいいじゃん」あるいは「こんなもんでいいだろう」体質。
報告書は「不正は遅くとも90年代前半から行われた可能性が高い」と指摘しているそうで。
つまり、その”体質”は昔からのことで、現在でも変わっていないということ。
現場の体質というのはよほどの強い力がかからないと、数年レベルで変わるものではありません。
スバルの場合は20年以上。
そこへさらに今回のバルブスプリング問題。
バルブスプリング自体の耐久性が悪いように感じさせる記事も多いのですが、要はエンジンの設計ミスと耐久性評価不足。
水平対向エンジンはかなり特殊で、整備性も悪い。
そういった機構の設計が正しかったかどうかは、当該エンジンを開発した段階でかなり詳細に耐久性を評価しなければなりません。
その際に、「この部分は前と一緒だから大丈夫だろう」というような”だろう”が入ったところから”不具合”が起きるのです。
これは車だけではなく一般の工業製品でも同じこと。
完成車検査不正問題を併せて考えるに、結局はスバルは20年以上昔から「”だろう”体質」だったのでしょう。
三菱も”隠蔽体質”だけではない
三菱で記憶に新しいところでは、軽自動車の燃費不正。
”隠蔽”する体質はGDIエンジンの不具合の際にすでにありました。
ですから”隠蔽体質”はその頃から今まで変わっていないということです。
しかし問題をさらに掘り下げて考えると、”技術力”に行きつきます。
GDIエンジンは、その耐久性や、製造時にエンジン個体のばらつきがどのくらい生じるかをきちんと評価しないで売りに出したものだったのです。
実は私もGDIエンジンの新車を買ったのですが、最初からなんか調子が悪かったです。
”サービスキャンペーン”でECUを交換されたら、さらに調子が悪くなったという体たらく。
どうやら、エンジンコントロールプログラムがエンジン個体のばらつきに対応できなかったと考えられます。
耐久性や生産時のばらつきまでを発売前に評価するのは”工業製品”として必須のこと。
GDIエンジンは工業製品としてのレベルに達していないとして、その車はすぐに売り飛ばしました・・・
問題の根幹は、耐久性とかばらつき評価とかの”地味な技術力”が三菱にはなかった、ということです。
パリダカールラリーで走り切れるパジェロを1台だけ作る、なんてことはどこのメーカーでも時間をかければできるでしょう。
自動車評論家に貸し出す完璧な車を数台作る、なんてこともどこのメーカーでもできるでしょう。
自動車評論家に貸し出す完璧な車を数台作る、なんてこともどこのメーカーでもできるでしょう。
しかし量販車は違います。
”工業製品”として売り出すためには”だろう体質”を排した”地味な技術力”が必要なのです。
軽自動車の燃費不正も、根幹は燃費が良い軽自動車エンジンを作れなかった、という技術力不足です。
軽自動車の省燃費エンジンをきちんと作るには、それこそ要因を一つ一つ”地味に”極めていかなければなりません。
三菱にはその技術力がなく、その結果、燃費を不正に操作するしか手が無くなった、のです。
車は金がかかる機械、危険な機械
品質という”地味な技術力”がないメーカーが作った工業製品は故障が多くなります。
車の場合、故障すると結構お金がかかります。
場合によっては”危険な”故障も起きえます。
そういったメーカーの車は買わない方がよいでしょう。
すでに持っているのであれば、リコール対策をした上で重篤な故障が起きる前に、高値が付くうちに・・・した方が、後々の”節約”になるのではないでしょうか。
こちらも参考に。
故障が多いメーカー、少ないメーカー、はあります
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