2018/11/14

日本カー・オブ・ザ・イヤーは車を”工業製品”としては評価していない

日本カー・オブ・ザ・イヤーは”車本体”に対する賞

スズキとスバルが日本カー・オブ・ザ・イヤーを辞退したことに対するコラム2件。

COTYはメディアが始めた「その年を記念するクルマ選び」と。

日本COTYはクルマの素晴らしさを評価する賞、と。


どちらの意見もその通り、もっともだと思います。


COTYにノミネートされたり受賞されればうれしかったり励まされたり喜んだりする、普段は表に出ることのない関係者は多いでしょう。
それはよいこと。


メーカーの不祥事は車に直接携わった人にはあまり関係がないことです。
COTYは車メーカーを評価する賞ではないということです。


しかし、メーカーとしては車を売らなければならない。
そのために、メーカーの”イメージ”や体裁は保たなければなりません。

だから、メーカーとして辞退するのも無理からぬことではあります。



COTYは車を工業製品としては評価できない、”車マニア”が選ぶ賞

でも、スバルが辞退したことによって、自動車評論家が馬脚を露すことにならずに済んだ面もあるのでは?


スズキが辞退したのは少し行き過ぎだったかもしれませんが、スバルの場合は完成車検査問題に加え、重篤なリコールも重なっています。
リコールの内容を見ると、そのメーカーの作っている車が”工業製品”のレベルに達しているかが疑問にすら思われる内容。


バルブスプリングが破損したとしても、交換が容易ではない設計も問題。
バルブスプリングのみならず、消耗品であるプラグの交換も大仕事とのこと。
メンテナンスのことを考えていない設計は工業製品としていかがなものか的な。


しかし、冒頭のコラムをよく読むと、COTYは”工業製品”として車を評価しているのではないことが分かります。
要するに”一品物”の評価。


車というのは危険な機械。
完成車検査が多少時代にそぐわないものであっても、法規は法規として遵守する姿勢がメーカーにあって当然。
法規よりも厳しい内規を適用している部分もあるでしょう。
車というのは危険な機械だからそれも当然。


そういうことはCOTYの選考では考慮されていないということです。


COTYの歴代の受賞車を見ると、工業製品としてのレベルに達していなかったGDIエンジン搭載車もあります。

車の専門家が寄ってたかっての賞なのに、誰も工業製品としての完成度は見ていなかったのか?と思われます。

結局はCOTYは”車マニア”が寄ってたかって、なのです。



COTYは”生活車”選びの参考にはならないことが多い

ある年のある受賞車の受賞理由に、
「扱いやすい手頃なサイズのボディに・・・」

日本の道路事情には合わない3ナンバーのデカいクルマなのに?
住宅街にいたらジャマくさいクルマなのに?
という車が受賞していました・・・

もっとも、ある年には初代フィットが受賞しています。
工業製品としても”生活車”としても優れた車が選ばれることもある、ということでしょうか。


車には夢があってもいいものです。
生活必需品の”生活車”だからといってゴリゴリの実用車なんかだと、生活に張りが無くなるでしょう。

”生活車”としてベストなのは、”夢”と”実用性”が同居したクルマです。

COTYではまれにそういう車が選ばれますが、ほとんどの場合は”車マニアの夢”だけの車。
少し冷めた目でCOTYを見たいものです。



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